私たちの体に必要不可欠な水。「体の60%以上は水でできている」と、よく聞きますよね。今回は、私がドイツに来て強く実感している水分摂取の重要さについて書きたいと思います。
ドイツの分娩室で気づいた日独の違いのうちのひとつ。CTGでお腹の赤ちゃんの健康状態を確認していて赤ちゃんが眠っているときは、日本だったらまずはママの体位変換そして振動で赤ちゃんを起こしてあげることをしていたのですが、ドイツだとママに水を持っていくことが最優先です。ママが水をしっかり飲むと、赤ちゃんが元気になりモニターの心拍が明らかに変わります。
そして、数年前に私自身にも水分摂取の大切さを実感する出来事がありました。
ドイツの硬水の味になかなか慣れず、数多くあるミネラウォーターを買ってもなかなか美味しい水に出会えなかったため、ブリタを通した水でよくお茶を飲んでいました。ドイツに本格移住してから2年目の冬、頭痛にめまいのような感じと視界がぼやけるような状態が数日間続きました。鎮痛薬を飲んでも効かず、肩こり?それとも脳の病気かも??と色々な原因を考えていました。友人と話しているときに日に日にひどくなっていく症状を伝えると「それって水分不足の症状じゃない?」と言われ、思い当たることがたくさん。すぐに職場の分娩室に症状を伝え点滴を打ってもらうことにしました。血圧を測るとなんと130/80mmHg超え。普段は低血圧で収縮期血圧が100くらいなので驚きました。同僚のHebammeはそれを見て、ルートから採血もしてくれ、私は分娩台に横になりながら1Lの水分を点滴してもらいました。
水分が入るにつれ頭に響いていた鼓動が徐々に和らぎ頭痛が楽になっていくのがわかり、そして点滴が終わるときには、生まれ変わったように体が軽くなりました。視界が一気にクリアになり、唇に張りが戻っていました(思えばその数日前から口角が切れていて一生懸命リップクリームを塗っていました)。血圧は110/60mmHgほどに。そして喉の乾きがしっかりまた感じるようになりました。点滴前の採血では血液が濃縮されているのが明らかでした。つまり水分不足により血液が濃縮され、それを全身に送るために血圧が上がっていた状態だったので、あのまま水分不足に気づかなければもしかしたら大きな病気につながっていたかもしれません。
同僚からは日頃からしっかり水分を摂るように何度も何度も釘をさされ、その後しばらくは私が勤務中に飲む水分量をチェックして、少ないとちゃんと飲むように声をかけてくれていました😚
これらの経験を通して、改めて水分摂取について考え直しました。ドイツには私たち日本人が水分不足に陥りやすい要因がたくさんあります。
・気候: 大陸で乾燥している。
久々に日本に帰国して飛行機から降りたときに肌に湿気を感じることがありますが、島国である日本では知らないうちに海からの恩恵を受けていたのだと思います。
・硬水
日本は軟水なので、日本で生まれ育った私たちの体が軟水と同じように消化吸収してくれるようになるまで時間がかかるかもしれません。硬水でお腹を壊してしまう方もいると聞きます。
・機密性の高い住宅
ドイツの長くて寒い冬のために、住宅は機密性が高くHeizungで常に室温が快適に保たれています。おかげで洗濯物は室内干しでもとてもよく乾くのですが、同じように私たちの体からも水分が奪われていると思うとしっかり水分を補給しなければと思います。
・味付けの濃い食事
外で作られたものやハムやチーズなどの加工品には多くの塩分が含まれています。乾燥した気候も濃い味付けを求めてしまう理由なのかもしれませんよね。さらにレストランでは水が有料なので日本にいるときよりも水を飲む機会は少なくなりがちです。
・外出時のお手洗いが少なく有料
外出先にお手洗いがないのもいつのまにか水分の摂取量が減ってしまう一つの理由かもしれません。いつでもどこでも綺麗なお手洗いがある日本のありがたさがわかります。
そして現在、私が実践していることは以下のことです。
・水で水分摂取をする
ドイツで生まれ育った同僚たちに1日どれくらい水分を摂っているかリサーチしてみたところ、ほとんどの人が2Lという答えでした。しかもそれはお茶やジュースではなくしっかり『水で』 2Lということ。たしかに最終的には消化器官で水とそのほかの物質で分解されるなら、初めから水として摂取するのが最も効率的だと思います。体格の違いを考慮し、私は少なくとも1日1,5Lを飲むようにしています。
・軟水を飲む
軟水が体に合っていることは実感していたので、ミネラルウォーターはVolvicに決め1日1,5Lのペットボトル1本をしっかり飲みきるように心がけています。
・こまめに飲む
一度に血管内に吸収される水分量は決まっているので、一気に飲むのではなく15~30分おきにちょこちょこ飲むようにしています。
・お茶やコーヒーを飲むときは水も一緒に準備する
お茶やコーヒーは利尿作用があるので、飲んでも逆に身体の水分を奪ってしまっている可能性があります。飲む量と同量の水を飲むように心がけていますが、それほど飲めるわけでもないので、お茶・コーヒーは嗜好品として1日1-2杯程度です。
・味を変えて楽しむ
普段から砂糖を摂らないようにしているのでジュースは飲んでいませんが、水にBioのレモンやミント入れたり、炭酸水に変えてみたりすることもあります。飲み方を変えると飽きずに楽しめますよ。
ドイツに来て乾燥に悩んでいる方、加湿器やスキンケア用品だけを考えるのではなく、ぜひ日頃の水分摂取を振り返ってみてください。妊婦さんや授乳中のママは赤ちゃんの水分摂取も担っていることを忘れずに、ぜひしっかりとお水を飲んでくださいね🍀
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