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産前産後の妻を守るためのガイドブック

更新日:9月22日

これから赤ちゃんを迎える家族にとって、妊娠中&産後の赤ちゃんのいる生活はきらきらして笑顔いっぱいというイメージがあるのではないでしょうか。もちろん幸せな瞬間は増えますが、きっと思いもよらない精神面での苦痛がでてくることがほとんどだと思います。なぜなら妊娠中・産後の母体の身体はホルモンによる大きな変化を受けるからです。これは身体の変化なので、性格や思考でコントロールできません。そして、そこでのサポートが十分ではないと産後うつという疾患につながってしまいます。ここで大切なのはパパ(またはそれに代わる方)のママへの精神的なサポートです。今日は、妻を産後うつから守るために作成された「産前産後の妻を守るガイドブック」の紹介です。


このガイドブックは、横浜の産み育てを考える会によって作成されこちらでダウンロードができます。

なかでも衝撃的なのが、通常時のホルモン変化と妊娠中のホルモン変化(P5)です。産婦人科医池川明氏によると月経周期のホルモン変化のピークを20階マンションの高さとすると、妊娠中のホルモン変化のピークはエベレストの高さになるんだそう。エストロゲンとプロゲステロンは妊娠継続に不可欠なホルモンであり、胎盤から分泌されます。妊娠中に加速したホルモン分泌は、出産で胎盤が排出されるのでピークから一気にゼロになってしまいます。そして、産後は妊娠中とは真逆のことが身体で起こります。どんどん大きくなっていった子宮は収縮するように働き、母乳分泌が抑えられていた乳房は分泌に向かいます。これも別のホルモンが役割を担い促進されていきます。そこに分娩にともなう裂傷や体力の消耗と慣れない育児が加わっていくので、母体の負担は計り知れません。

そんなママにとって心の支えになってくれる人の存在は不可欠です。パパがいれば、その方がこの役割を担うべきです。なぜならこれが二人のこどもを産み育てる過程だからです。妊娠期間は、ゆっくりとこれから起こるあろうことへ知識を深め準備ができる期間なので、ぜひ早めにお二人で準備に取り組まれることをおすすめします。今の生活に加えて育児が加わるので、今の生活は名もなき家事も含めて全て棚卸しをしてみてください。

今は家族の形態も多様化しているので、様々な事情でおひとりで出産・育児をされる方もいると思います。その場合も、ぜひご自身でこのパンフレットを一読し、自分とそしてご自身の赤ちゃんを守るために誰か信頼してサポートを依頼できる方の支援を受けられる体制にしていただきたいです。

海外で出産・育児をされていくことは、母国日本でのそれに加えて大きな孤独感とストレスが加わり虐待や産後うつのリスクがあがってしまうのは悲しい事実です。特に今はコロナ禍で社会的な交流も制限されているので、パートナーの方の役割は重要です。育休制度も権利として有意義に利用され、ご自身とご家族の幸せを守っていただきたいと思います。


パンフレットには制作者である横浜の産み育てを考える会より、

『私たちは地域子育て支援実践者の視点で、産前産後の最も重要な時期に 着目し、この冊子を作成しました。ぜひ、パパの職場で「妻が妊娠した」という同僚や、これからそうなるかもという新婚の後輩、またこういう現状があることを事前に理解してもらっていた方が良いと思われる上司にも ぜひお渡いただき、ご活用ください。』と書かれています。

(素晴らしい情報の共有を本当にありがとうございます。)

読まれた方も、必要な方へ届くようぜひご活用ください。





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